おなじみとは?/ ノーローン
[ 179] @nifty:デイリーポータルZ:ゲームでおなじみの干し肉を食べたい
[引用サイト] http://portal.nifty.com/2006/11/29/c/
肉はロマンだ。ロマンの木曜は明日だがあえて水曜の今日に書いてしまおう。肉はロマンだ。豚肉部の高瀬さんが撮る豚肉料理の写真にみんなも悶絶しているだろうが僕も悶絶している。 肉のロマンといえばハンバーグやウインナーにも多くのロマンが詰まっている。ギャートルズのマンガ肉もロマンだらけだ。そんな数々のロマン肉たち。そして忘れてはならないロマン肉がもう一つばかりあるだろう。 子供のころ遊んだロールプレイングゲームに「干し肉」 というアイテムがあった。僕はその響きに憧れた。干し肉、なんて甘美な和音。僕はそのころから15年以上の間干し肉を食べたいと思い続けてきたのだ。 干し肉はスーパーでは売ってない。ビーフジャーキーが売ってるだろうって?いや、あれはビーフジャーキーであって干し肉じゃない。 スーパーに行って「干し肉ください」って言ってビーフジャーキーを渡されるだろうか。多分否だ。否だと思いたい。 買ってきたのは豚バラの塊と鶏肉のささみ。ガッツリ干し肉を食べたいのでたくさん買ってきた。どうだいいだろう。 作り方は知らないが、多分干物と同じで塩漬けして干せば良いんだと思う。Google辺りで調べても良いのだが、たまにはITの力に頼らずに自力だけで仕上げたい。 10月半ばから作り初めて11月の終わりに完成した。完成まで1ヶ月半掛かっているが、長々書いてもしょうがないので一気にご覧いただこう。 そして1ヶ月後の11月中旬。冷蔵庫から肉を取り出してみた。1ヶ月物の生肉の塩漬けだ。キッチンペーパーの色がすっかり変わっている。 やや塩が強いが、生ハムのようにねっとりとした肉の食感に加え、水分が抜かれた分凝縮された肉のうま味が強い。これならメロンと一緒に食べられる。 ささみは美味いのだが豚バラがしょっぱすぎた。最初からインターネットで作り方を調べればこういうこともなく完璧な物が作れるのかも知れないが、最初から結末がわかってるゲームなんてやっても面白くないのだ。 どうしたもんかと考えるまでもなく、水につけて塩抜きをする事にした。薄く切ってタッパに肉と水を一昼夜。 翌朝、食べてみたら割と問題ない程度に塩が抜けた。いよいよ干し肉にとっての晴れのステージ、「干し」に入る。 干し網を週刊誌のページをやぶいて緩く覆った。そして火を着けたチップを最下段に置く。ガッチリした容器で薫製にすると煙とチップの熱で肉に火が通ってしまう。それはちょっと都合が悪いので、わざと隙間を作って簡易的に冷薫状態にした。風が無い日ならこれで十分いぶす事が出来る。 その代わり、半日ずっと横で監視していた。燃えやすい物だらけの状況で薫製を作るのは大変に危険なので真似はしない方が良いと思う。というか真似しないように。 いぶしてから2週間ほど、あとはただただ乾くのを待っていた。会社から帰ってくるとまず干し肉の様子を見る。天気予報も欠かさずチェックし、雨が降りそうなら家の中に取り込む、そんな日々だ。 見るたびに色が変わり、美味しそうになっていく干し肉の成長には思わず目を細めた。1日ごとに変わるその色、つや、香りに一喜一憂した。 そんな干し肉と僕の生活は2週間続き、そしてついに念願の、15年間食べたいと思い続けてきた干し肉が完成したのだ。 |
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