規制とは？/ ノーローン
[ 166] FujiSankei Business i. 金融・証券／米ＳＥＣが格付け会社に新規制案 情報公開で透明性促す
[引用サイト] http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200806130010a.nwc
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米証券取引委員会（ＳＥＣ）は１１日、サブプライム（高金利型）住宅ローン問題を深刻化させたとされる格付け会社に対する新規制案を公表した。格付け方法の情報公開や格付け依頼企業との癒着防止策などの厳しいルールを導入し透明性や格付けの正確性を向上させる。ＳＥＣは欧米３社が独占している年間５０億ドル（約５３５０億円）規模の格付け市場への新規参入促進を通し、格付けの健全化を急ぐ計画で、日本や欧州での格付けにも影響を与えるとみられる。 新規制案は（１）格付け会社が格付けの変更を決定する場合、過程についての根拠などの詳細な情報を公開する（２）金融商品の担保不動産に関する情報が不足している場合は格付けを禁じる（３）伝統的な社債などの証券と住宅ローン担保証券（ＲＭＢＳ）など担保を複雑に組み合わせた金融商品との格付け符号を区別し、投資家の混乱を防止する−などが柱。 格付けを担当するアナリストらが格付けを受ける企業から２５ドル（約２７００円）以上の贈り物や供応を受けることも禁ずる ＳＥＣは９カ月にわたる調査を踏まえ、格付け会社が当初高い格付けを与えていたサブプライム関連証券を急激に格下げしたのは、急増する関連証券を正確に格付けする人手が不足しながら無理な格付け作業を続けたことが一因と判断。格付け会社と格付けを受ける会社との癒着も適正な格付けをゆがめたとみている。 この背景には、世界の格付け市場がムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）、フィッチ・レーティングスの大手３社に独占されている現状がある。ＳＥＣは新規制に続き格付け市場への新規参入促進で格付け業界の改革を進めるとみられている。 すでに世界の証券当局で構成する証券監督者国際機構（ＩＯＳＣＯ）は今年３月、証券化商品の格付けの透明性向上などを求めた「基本行動規範」の改善案を公表。格付けと助言の同時提供を禁止したほか、透明性向上のための損失分析とキャッシュフロー分析の開示や、格付け手法の開示を求めていた。 日本でも、ＩＯＳＣＯのメンバーである金融庁が、国内で活動する主要格付け会社に対し、証券化商品などの評価方法や詳細な情報開示を求める姿勢を示している。渡辺喜美金融担当相の私的懇談会「金融市場戦略チーム」は４月に、Ｓ＆Ｐなど国内外の格付け機関５社から事情を聴き、各社から「透明性や内部管理の強化に努めている」との説明を受けている。 世界的に格付けの基準と透明性の向上を促す取り組みが進むことで、複雑な仕組みの証券化商品に投資する金融機関にとっても、「投資対象の選別がしやすくなる」（大手銀行幹部）との声が上がる。 この一方で、今回のサブプライムローン問題や市場混乱を通じて、格付けに頼りすぎた投資行動の弊害から、各国の金融当局は金融機関に対し、自主的なリスク判断能力の向上を求める姿勢も強めている。また、「過剰な規制強化は多様な金融市場の成長の芽を摘む」（市場関係者）との懸念もあり、規制による顧客保護と市場の発展のバランスを探ることが、今後の焦点となりそうだ。 |
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